メメント・モリ
メメント・モリ(memento mori)は、ラテン語で「自分が(いつか)必ず死ぬことを忘れるな」という意味の警句。「死を記憶せよ」「死を想え」などと訳され、芸術作品のモチーフとして広く使われる…らしいです。長い事フランス語だと思っていましたがラテン語だったんですね(汗)
メメント・モリと言うと、しりあがり寿のふざけたマンガがどうしても思い浮かんでしまうのですが、この言葉は「死の答えを知ること」ではなく「かたわらに置くこと」なのだそうで、特に欧州では(キリスト教の宗教観に基づいた)死を視覚化した芸術作品が多く見られ、「かたわらに”置く”」事と関係があるのか、絵画よりも立体の方が多い気がします。
ご存知の様にアメリカの様な広い国土の国は基本的に埋葬は土葬で、だからこぞ遺体を腐らせないエンバーミング技術や、又逆説的に言えば肉体が滅びる事への恐怖が「視覚化された死」に反映されている様に見受けられます。
コンニチ翻って考えると、原則火葬で遺体の形が骨壺に入った骨片である日本人の想う「傍らに置く死」とはどんなものなのでしょうか。もちろん九相図はかつての日本的死後感ですが、現在はもっと清潔な、意地の悪い言い方をすれば、無味乾燥とした愛想の無いメメント・モリなのかもしれません。
もっとも、死はその無味乾燥とした虚無感みたいな物こそが本質的な部分で、ウエットな抒情性は生きている者だけに許された感性だ…とも言えるのでしょうが。
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